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ケガをしたらどうする?特別労災の申請手順と必要書類

建設業の現場では、日々さまざまな危険が潜んでいます。転落、墜落、挟まれ、切創、腰痛など、どれほど安全対策をしていても完全にリスクを排除することはできません。そんなときに「一人親方特別労災」に加入していれば、自身がケガを負った場合でも労災保険の給付を受けることが可能です。しかし、実際にケガをした際、「どのように手続きを進めればよいのか分からない」という声をよく耳にします。今回は、特別労災の申請手順と必要書類を、建設業の一人親方の方に向けてわかりやすく解説します。


1. ケガをした直後に行うべきこと

まず、最優先は「安全確保と応急処置」です。自身のケガが軽傷であっても、作業現場は危険を伴う環境です。二次災害を防ぐためにも、周囲の安全確認と現場責任者や元請けへの連絡を行いましょう。
次に、可能な限り速やかに医療機関を受診してください。特別労災の給付を受ける際には「労災指定病院」での診療が望ましいですが、緊急時は一般の医療機関でも構いません。その場合は、後日「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」を提出し、自己負担分の払い戻しを受ける形となります。

建設業の一人親方の場合、「自分のケガは自分で報告」しなければなりません。労働者とは異なり、元請会社や事務組合が自動的に手続きをしてくれるわけではないため、迅速な初動が重要になります。


2. 特別労災の申請手順の全体像

申請の流れは大きく分けて以下の5ステップです。

  1. ケガの発生と医療機関の受診

  2. 労災申請書類の作成

  3. 労働保険事務組合への提出

  4. 労働基準監督署への申請

  5. 労災給付の決定・支給

それぞれの段階で必要な書類や注意点を確認していきます。


3. 必要書類一覧と記入のポイント

一人親方特別労災の申請で主に必要となる書類は、次の通りです。

  1. 療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)
     → 労災指定病院で治療を受ける際に提出。医療機関が記入してくれる部分もあります。

  2. 療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)
     → 労災指定外の病院にかかった場合に使用。領収書の添付が必要です。

  3. 休業補償給付請求書(様式第8号)
     → 休業が4日以上に及んだ場合に提出。自営業者である一人親方も、就労不能期間がある場合は給付対象となります。

  4. 特別加入者証の写し
     → 特別加入していることを証明する書類。労働保険事務組合から交付された証明書をコピーして添付します。

  5. 事故発生状況報告書
     → 自身で作成します。どのような作業中に、どのようにケガをしたのかを詳細に記載します。

書類は労働基準監督署の窓口で入手可能ですが、多くの労働保険事務組合では加入者向けにフォーマットを配布しています。最近では、組合のホームページからダウンロードできるケースも増えています。


4. 提出先と提出方法

提出は、原則として「所属する労働保険事務組合」を経由します。事務組合が内容を確認したうえで、所轄の労働基準監督署に申請書類を提出します。

一人親方本人が直接監督署に持参することも可能ですが、内容の不備があると差し戻しになることもあります。労災申請は法律に基づく公的手続きであり、記載ミスや添付書類の欠落があると給付が遅れる原因になります。そのため、専門知識を持つ事務組合を通す方が確実です。


5. 給付内容と支給までの期間

一人親方特別労災では、主に以下の給付を受けることができます。

  • 療養補償給付(治療費全額)

  • 休業補償給付(休業1日につき日額の80%)

  • 障害補償給付(障害等級に応じた一時金または年金)

  • 遺族補償給付・葬祭料(死亡事故の場合)

支給までの期間は、申請から概ね1〜2か月程度が目安です。ただし、書類に不備がある場合や、労災認定に確認が必要な事案ではさらに時間を要することがあります。


6. 社労士から見た現場での注意点

実務上、特別労災の申請でよく見られるトラブルは「事故発生日の記録不足」と「証拠不備」です。たとえば、転倒事故の場合でも「どの現場で」「どのような作業をしていたか」が明確でなければ、業務上災害と認められないことがあります。スマートフォンで現場の写真を撮っておく、当日の作業日報を保存しておくなど、客観的な証拠を残しておくことが重要です。

また、建設業では下請構造が複雑なため、「どの元請の仕事中に発生した事故か」が曖昧になるケースも少なくありません。特別労災では、加入している労働保険事務組合の対象業種範囲外の作業であった場合、給付が受けられないこともあります。契約内容や現場範囲を明確にしておくこともリスク管理の一部です。

社労士として現場をサポートしている中でも、「ケガをしてから慌てて書類を探す」「保険加入証のコピーが見つからない」などの事例を多く見てきました。日頃から書類をファイル管理しておくこと、そして定期的に加入状況を確認することが、いざという時に迅速な給付につながります。


7. まとめ:申請のコツは「早めの報告」と「書類の正確さ」

特別労災の手続きは、一般的な労災と比べて「自己申告性」が高く、全ての責任が本人にかかります。したがって、

  • 事故が起きたらすぐ医療機関へ

  • 現場記録を残す

  • 労働保険事務組合に早めに相談する
    これらを徹底することが何より大切です。

特に建設業では、季節労働や短期契約などで現場が変わることも多く、加入手続きや更新漏れが発生しがちです。年度更新の際には、必ず加入継続の確認を行い、証明書の有効期限にも注意を払いましょう。

万が一の事故が発生しても、正しく手続きすれば、治療費や休業補償がしっかり支給され、再び現場復帰できるよう支援を受けることができます。


 

執筆:特定社会保険労務士 鈴木教大(社会保険労務士法人レクシード)

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